破損届
湿気の多い日。
7時前、Cから「体調悪いから、五部林の朝ごはんとかお願い」と告げられつつ起こされ、急いで支度。ぼくはすぐ体調が悪くなるけれど、Cにしては珍しいこと。
7:30過ぎ、五部林を起こし、ふたりで朝食。昨夜(ゆうべ)書いた、五部林のサッカー部用「ユニフォーム購入申込用紙」と「クラブTシャツ購入申込用紙」を「これ、先生に渡しや」と言いながら「ユニフォームの背番号どうするん?」と五部林に訊くと、「今は3番と7番が空いてるらしいけど、俺は、ソト*1が好きやから、99番がいいねん」と。
「ソトって、サッカー選手じゃなくて、野球選手やんな?」
「うん、プロスピ*2のSランク」
「せっかくやから、サッカー選手にしたら?」
「でも知らんもん」
「7番、ええと思うけどな。確か、お父さんの好きやった中田英寿も付けてた」
「誰、それ(!)」
「ちょい待って(と、iPhoneで「サッカー選手 背番号 7」を検索)。エムバペとか、クリスチャーノ・ロナウドとか、わりと中心選手が付けてたみたいで、日本代表やったら、中田くんとか遠藤(保仁)とか、柴崎(岳)とか。へぇ、ボランチの人が多いみたいやん」
「ボランチって、どこ?」
「中盤の下」
「俺、サッカーのポジションとか、ようわからへんねん。“オポジット”しかわからへん」
「オポジット?そんなポジションあったっけ?(と、また「オポジット ポジション」と検索)…あれ、オポジットって、バレーのポジションやん」
「え、そうなん?左利きはオポジットがいい、とか、A(バレーボールをずっと習っている友人)から聞いたんやけど」
「五部林はストライカーとか、ドリブラーじゃないような気がするし、ディフェンダーはもっとガッチリした子がやるやろうから、ボランチの7番、かっこええやん。他のみんなと話し合って、もし誰も7番付けたい人おらへんかったら7番にしたら」
「うん、別に何番でもいいけど」
「そうやんな、五部林の好きな番号にして、3年間それ付けてたら、きっとどんな番号でも愛着が湧くと思う」
「へーい」
そんな会話で朝食を終えて、週明けのたくさんの荷物を持って五部林は中学へ。
朝食の片付け&洗濯機のスイッチを入れて、Cのところへ。
「どんなふうにしんどいん?」
「とにかく吐き気がする。寝る」
「何か欲しいものある?」
「オレンジジュースと●×※▽」
「え?オレンジジュースとわらび餅?」
「わらび餅ちゃうわ(笑)、ヨーグルト!」
「わかった。また買ってくるわ」
その後、少し事務作業をして、洗濯物を干して、カムカムとコムコム(2匹の亀。5~6年前ぐらい、五部林が公園から持って帰ってきて、当時は小指の先ぐらいの大きさだったのに、今ではぼくの手の平よりも大きくなった)の水槽を掃除し、11時前、買い物へ。
Mスーパーで野菜、肉、牛乳、卵、その他モロモロと、Cが欲しがっていたオレンジジュースとわらび餅ではなくヨーグルトを購入。Mスーパーに隣接するクリーニング屋で、先日出した、ぼくとCのスーツ(五部林の卒業式・入学式で着用)、それからお気に入りのパタゴニア(patagonia)のジャケットを受けとる。
帰宅し、Cに食材を与え、「しんどいときにごめんやけど、今年、俺の部屋にエアコン付けてもいい?」(もちろん、食材を与えた者としての優位を利用して)と頼むと「ええんちゃう」と言ってくれたので、自室に戻り、取付位置のサイズなどを測る。
今の家には約6年前(2018年・9月末)に引っ越してきたのだけど、そのとき、ぼくはぜいたくな気がして自分の部屋(といっても、竣工図には「納屋」と表示されるほどの1520mm×3000mmぐらいのスペース)にはエアコンを付けなかった*3。2018年の冬、そして2019年の夏以降、6度の冬と、5度の夏をエアコンなしで過ごしてきたけれど、冬はなんとかなるとして、夏は40度越えする日もあるぐらい、ずっと30度代後半が続いていた。50才になる夏を前に、そろそろ熱中症になってもおかしくないと思い、ちょうど2024年シーズン機種の発売前、旧型が安くなるこの時期を狙って、エアコンを付けたいと以前から思っていた。
自室のエアコン取付位置のサイズメモと、何枚か写真を撮って、Joshinへ。
やはり今が旧型(2023年モデル)が安くなる時期で、まだ取付工事日程にも余裕があるので「買い頃です」と店員さんに言われる。これまで「エアコンのない部屋で過ごしていた」と告げると、すごく驚かれた。
当初はいちばん安いタイプで良いと思っていたけど、フィルター掃除の面倒くささや、今後値上がりする電気代のことを考え、すべて兼ね備えた上位機種、というわけではないけれど、それなりの機能を備えた、TOSHIBA「RAS-K221DZ-W」に決定し、いろいろと値引交渉&手続き。エアコン本体・87,780円+取付工事費・14,800円=102,600円(税込)(5年保証付き)を無利子分割3回払いで。
取付は25日なった。部屋を片付けなければ。あとは、ベランダに置いている、カムカムとコムコムの水槽の移動場所も確保しなければならない。
自宅に戻り、14時前と16時前、小学校の「下校時見守り活動」に。
昨年度(3月)までは、小学校の保護者としてPTA活動の一環として、年3~4回ぐらいの「下校時見守り活動」の当番を務めていたが、五部林が小学校を卒業した今年度からは、地域活動(町内会・コミュニティ協議会)の一員として活動することにした。活動する人が少ないからであり、少しでも協力したいと思ったからだ。そして、今日がその初日だった。
保護者として活動していたときは、腕章と旗を持っていたけれど、地域活動の当番は、蛍光色(緑)のジャケットと帽子の着用しなければならず、出かける前に着用した自分を鏡で見てみると、一気に「ジジイ感」が増していた。
「お父さん、あと1個、報告せなあかんことがあんねんけど」
「え、何、もう(学校から支給されている)iPadを壊したとかじゃないやろな?*4」
「違(ちゃ)う。iPadじゃない。トイレのドア」
「え?トイレ?」
「うん、給食の後、トイレ行ったらJがおって、なんでか知らんけど、急に(個室に)閉じ込めてきたから、やり返そうと思って、Jを閉じ込めて、ドアに体当たりしたら、そんなに強く体当たりしてないのに(と、ぼくに体当たりしてきて)、これぐらいの力やったのにドアが外れた」
「それで?」
「すぐにH先生呼んで、そしたら、サッカー部のN先生も来て、Jとめっちゃ怒られた。理由を訊かれて、説明して、ドアは技術職員のOさんがすぐ直してくれたんやけど、2年生とかもみんな見に来て、めっちゃ恥ずかしかった」
「きちんと先生に謝った?学校のもの壊したら、そりゃ弁償しなあかんくなるやんな?」
「うん、ちゃんと先生には謝って、ふざけてそんなことはこれからしません、って言うて、Oさんにも謝った。それでこれ書いてきなさいって(と、A4の『破損届』の用紙を見せられた)」
「(すでに内容が書かれていた『破損届』を読んで)え、中学やとこんなん書かなあかんねや」
「うん、これ書いて、明日、担任のH先生と、生活指導の先生と、Oさんと、教頭先生のところにまた謝りに行くねん。<保護者から一言>の欄に、お父さんも書いて」
「何書いたらええのん?」
「…わからん。ごめん」
夕食は、Mスーパーで買ってきた惣菜と、紅鮭を焼いた。Cはまだ食欲がないらしく、呼びに行った五部林によると「スマホでドラマ見てた」らしい。
ふたりで、Netflixで立川譲監督「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」を見た。
片付けをした後、『破損届』の<保護者から一言>欄に
学校の施設を破損してしまい、申し訳ありませんでした。帰宅してから、本人から事情を詳細に聴き、本人は大変反省している様子でした。以後、このようなことがないように強く注意をしておきました。また学校でも気になる点があれば、ご連絡ください。2024.4.22 ●● ●●
と、もっともらしいことを書いた。こんなので良いのかわからないけれど。
どーでもいいことだけれど、学校のほとんどの配布物(五部林の勉強用のプリント含め)が「B5(またはB4)サイズ」なのはまだ許せるとして(今どき、なぜ?」とは思わなくもないけれど)、ときどき今回の『破損届』のように「A4(A3)サイズ」が混じるのはなぜなんだろう?と、ずっと思う。統一しよう、とか、統一したい、とか、思わないんだろうか。作成時も印刷時も保管時も面倒だろうに。