交通系フリーペーパーの衰退
長嶋有『夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)』を読み始める。
とってもいい。これが、長嶋有的文体ダ! と改めて感動。出勤時に読み進んで、下車駅が近づいて、読み終えるのが惜しくなったぐらい。それで、栞挟もうと思ったら、講談社文庫だから、和田誠・絵の「マザー・グース」だと思い込んでいたら、なんと、作品の舞台である古道具屋「フラココ屋」のデザイン。こういうとこ、長嶋有、すごい。「西向く侍」的センスに通じるものがある。
- 作者:長嶋 有
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: 文庫
帰りに、谷九(谷町九丁目)の駅で、月初の楽しみ、フリーペーパー「OPPi」(大阪メトロサービス発行・京阪神エルマガジン社企画/編集)と「遊びマップ」(スルッとKANSAI協議会発行・編集)をそれぞれゲット。
我が家は、読む用と保存用の各2冊を毎月いただく。
でも最近どちらもとても質が落ちた。良いのは、こういう交通系のフリペのなかでは、今のところ「ノッテオリテ」(大阪市営交通局・奇数月25日発行)、それから「旅こよみ」(JR西日本)だ。
「旅こよみ」は、最近、ほとんどJRを使わないので、ゲットできずにいる。そして、「旅こよみ」も「OPPi」も、同じ京阪神エルマガジン社がかんでいるのに、この質の違いったら、すごい。やっぱり、予算が違うのかもね。でも、以前の「遊びマップ」は、もっと読ませる内容だった。だって、対象範囲だって、関西私鉄路線全域なんだから、思い切りネタはあるのに、きっと阪神間しか取材に行けない、行く人材がいないんだろうな。
京阪神エルマガジン社といえば、きょう、「Meets Regional (ミーツ リージョナル) 2011年 12月号 [雑誌]」をネット注文した。
今月号は、「京橋特集」。京阪沿線住民として、読みましょう。京橋って、ほんと、いろんな顔があると思うな。風俗から紀伊国屋書店(むかし「京阪モール」に入っていたのは、駸々堂書店だったっけ)、そして、IMPまで。子どものころには分からなかった、おっさんになって大阪に帰ってきたら、ほー、そうだったか、と思わせる町。
もうひとつ、京阪神エルマガジン社といえば、ぼくは、その会社の採用試験を2度ほど受けて、2度ほど落ちた。1度は最終面接みたいなところまで進んだかな。ちょうど京阪神エルマガジン社「関西どっとコム」と組んで、紙媒体とネット媒体でのポータル事業に力を入れ始めたところで、動画撮影・編集の経験があったぼくと会ってみようとしてくれたのだけど、実際にぼくは、動画編集よりも、活字をやりたかったので、そのことばかり話をした覚えがある。あのとき、ぼくにもう少し知恵があれば、動画編集の魅力や、そこでやってみたい企画などを話して、いったんもぐりこんでおいて、後は、活字に携われるようにすればよかった。
「関西どっとコム」もなくなり、ぼくが愛していた雑誌「Lmagazine」も休刊(?)し、最近、誕生した「Lmaga.jp」というページも、やはり、「OPPi」同様、情報を左から右にうつす作業しかしていない。ぼくが読んでいるのは、柴崎友香の連載*1のみ。
ぼくなら、もっと、書けるけどな、ヒヒヒ。
Meets Regional (ミーツ リージョナル) 2011年 12月号 [雑誌]
- 発売日: 2011/11/01
- メディア: 雑誌
*1:http://lmaga.jp/series.php?id=9 「よう知らんけど日記。」