入院・治療に際して‐2
ぼくは、まずそこで、大きな病院というか、今の医学というのか、「人間の病(やまい)」というものを、各科専門域に分け隔て(まるで縦割り行政のように)進めてきて、俯瞰的に、総合的に「人間の病」を診ることのできる医者がいなくなった弊害を感じたりもしたけれど、そういうことについて、ここで能書きを垂れても仕方がないので、まず言った。
「改めて、母の今の状態を教えてください。それから、これからの先生が考えている治療方針、そして、他にもある治療方針を教えてください」と。
そこで、T医師が言った内容は次のとおり。
- 現在の診断では「(卵巣がんの)骨盤内再発腫瘍」という診断名になる。
- 骨盤内の腹膜に1〜1.5cmの腫瘍が、数ヶ所発症している。
- 前回の抗がん剤治療終了(2007年11月)後、1年以内に再発したということからすると、前回の抗がん剤治療は有効ではなかったという判断になる。
- 今回の治療方法としては、化学療法(抗がん剤治療)のみ。
- 治療に使用する抗がん剤は、前回*1同様の抗がん剤(タキソール[一般名:パクリタキセル]+パラプラチン[一般名:カルボプラチン])を1、2回投与してみて、それで腫瘍マーカーなどの値を診て、それ以後、また選定していく。
- おそらく、前回同様の抗がん剤では効かないことが予想されるので、今、考えている薬は、「カンプト[一般名:イリノテカン]」+「シスプラチン」の併用。
- 前回は、1回の抗がん剤投与を「6ターン」(約6ヶ月)繰り返すという方法だったが、再発の場合は、「6ターン」という期間は限定しない。最低「6ターン」だと考えてほしい。さらに、薬を変えると、そこから「1ターン」と考えるので、前回よりは長期間の入院生活になることが予想される。
- 放射線治療も考えられるが、卵巣がん(腺がん)にはあまり効果が期待できない。そして、その割には体力の消耗など、副作用が大きすぎる。
*1:http://d.hatena.ne.jp/subekaraku/20070515/p3