マンションを買おうと思うのだけど、どう思う?
協議が終わって、昼食をフレンドリー(ファミレス)緑橋店で食べた。溶岩石の石焼ハンバーグ。もちろん、上司の奢りで。ランチバイキングをあえて避けて(ぼくは、どうもバイキング形式の食事が苦手。たんに面倒くさいだけなのだけど)ごちそうさま。
食べながらも、仕事の話なんかをしてて、職場内の、ちょっと仕事ができないFさん(って、ぼくから言われる筋合いはFさんにはないんだろうけど)についての話になって、そしたら、「うつ」(鬱)の話になって、なぜだか先進国における人々の心の満たされ方、というか、自己実現、というような話になって(上司は、ひとつの日常的な事象を、世界規模の話にすることにだけはとても長けている。そこが10回のうち、8回はイライラするんだけど)、それを話していたとき、昨夜(ゆうべ)、ものすごく久しぶりに電話があったHくん(去年の9月に遊びに来てくれたとき以来、話してなかった*1)のことを思い出し、ちょっと上司の話を6割方聞きながら、感慨にふけった。
昨夜(ゆうべ)のHくんからの電話は、ものすごくシンプルに言うと「マンションを買おうと思うのだけど、どう思う?」という相談で、もう少し詳しく言うと、「冷やかしでマンションのモデルルームを婚約者と見学しに行ったら、かなり盛り上がって、買う方向で考えていたのだけど、ちょっと立ち止まったら、やっぱり今の自分じゃ買えないと思うんだけど、どう思う?」、さらに詳しく言うと、「ずっと休職してて、今日から(!)復帰し始めたんだけど、こういう状況の自分がマンションを買うって、やっぱりちょっと違うと思うんだけど、どう思う?」…と、いうことで、2時間ぐらい話した結果、ぼくも「まず、婚約者の人といっしょに生活を始めることが大事であって、きっと歓びなんであって、どこでどんな形態で住むかどうかは優先事項じゃないし、それから、いまのHくんの状態で、『マンション購入』っていうことが、仕事やお金のことで、かなりの負担になることは目に見えているから、マンションを買う、ってことに反対なんじゃなくて、今、そうするっていうことについて、ぼくは、止めといた方がいいと思う」と答えたんだけど、9月の時点でも、Hくんが「結婚しようと思ってて、指輪もそろそろ買おうかと思ってる」と報告してくれたから、「18才のときから、18年以上Hくんのこと知ってるからこそ、ぼくは言うけど」と前置きしてから、「休職してるときに、結婚っていうのは、それがHくんにとって希望や糧になるのなら全然かまわないと思うけど、そこにもしかして現実回避的な要素が含まれているんだったら、ちょっと待った方がいいと思う」と言ったり、「そもそもHくんは、介護職のような職業に就くには、やさしすぎると思う。向いてる・向いてないとかいうことよりも、仕事がHくんをしんどくさせてるんだったら、何か別の仕事、例えば、もくもくと一人で完結できるようなことをやった方がいいと思う」と言って、かなり後から反省したりもしたんだけど、ぼくもうつ気質だから、よくわかる部分があるんだけど、深い落ち込みから這い上がりつつある、そういうときって、何か、別バージョンの自分がある(いる)んじゃないか、というような、夢を見がちで、夢見ることや、きっとある別バージョンの自分に向けて行動していくことは、何もしないより、うんとマシなことなのかもしれないけど、それで行動してうまくいかなかったときの「揺り戻し」っていうのは、とてつもなく自身の自信を喪失させる。あくまでもぼくの経験上。
Hくんの場合が、決して「うまくいかない」と決めつけているわけでもないのだけど、結婚に、結婚相手に、自分の希望や糧を期待する、っていうのは、ものすごく危険だと思うし(ふたりの希望や糧ならまだしも)、相手(他者)がいることや、あまりにも大きな負担(心的でも、金銭的でも、ともかくふだんの自分の枠内を越えた)がそこにくっついてくる決断をするには、「そういうとき」にはあまり向いていないと思うし、もしそれでうまくいかなかった場合の代償が大きすぎる。
Hくんは、休職復帰後2日目の今日も無事だったのか、今日一日中気になって仕方なくって、さっきメールしたら、「明日、彼女(婚約者)にきちんと話そうと思う。自信ないけど」という返事が送られてきた。
*1:http://d.hatena.ne.jp/subekaraku/20101231/p13