ことりっぷ派
せっかく尼崎まで来たので、駅前の「COCOE(ココエ)あまがさき」内にある、MOVIXココエあまがさきで映画を観ようということになり、迷うことなく、気になっていた、その日から上映開始のクリント・イーストウッド監督「ヒア アフター」(http://wwws.warnerbros.co.jp/hereafter/index.html)を選ぶ。
上映時間までの間、COCOEをうろうろ。以前COCOEに来たときは、オープン当初だったので、ものすごい人だったけど、今は、わりと落ち着いた人出。無印良品やら、雑貨屋を見た後、くまざわ書店で『ことりっぷ 長崎ハウステンボス (ことりっぷ国内版)』購入。今度予定している旅行の案内に。ちなみに、ぼくら夫婦は、どこかへ出かけるとなったら、迷わず「ことりっぷ」(昭文社)シリーズを購入する。「働く女性が週末に行く2泊3日の小さな旅」の提案を参考にする。
Cは、そこで疲れてしまったので、ベンチで休み、ぼくは、またくまざわ書店に戻り、新刊などをチェック。気になったのは、熊野純彦『埴谷雄高――夢みるカント (再発見 日本の哲学)』など。あと、自己啓発書コーナーに立ち寄ったら、反吐が出そうになったけど、そこに立ちすくむ高校生ぐらいの男の子がいて、20年前ぐらいのぼく自身を見た気がした。そうだ、そういう時期もあるのだ。
18:15上映開始の「ヒア アフター」は、その劇場でいちばん大きなスクリーン(座席・426席)なのに、埋まってたのは30席ほどだった。
先週観たオリヴァー・ストーン監督「ウォール・ストリート」よりは「ぜったいに良いだろう」という確信があったので、安心して観始めたけど、その確信はもちろん当たって、すごく良かった。なんというのか、映画らしい映画、というのか、じゃまをしない音楽、登場人物や街の息遣いが聞こえる物語。ぼくに似ている(と自負している)マット・デイモン(彼は孤独な役がほんとうに似合う)はもちろん、イタリア料理教室でペアにあるメラニー役のブライス・ダラス・ハワードがとても輝いて見えた。
ああいう、サンフランシスコ、パリ、ロンドンの3つの人生が交差しあう物語っていうのは、たぶん、すぐに他のものに目移りしてしまうテレビじゃなかなかできない構成だろうし、それがロンドンで結び付いたときの感動は、すごい。もっと、日ごろ単純化された物語しか観ていないから、もっとドラマチックな結び付きをするかとつい予想しちゃってたけど、チャールズ・ディケンズを媒介として、ふと、出会ってしまうというのも良かったな。
「ヒア アフター」、Here after=来世。途中、もっとオカルトちっくな話に流れるのかと思ったら、まったくそういうこともなく、ただ、やっぱり、ぼくは、観ながらも、ずっと「一昨年(もう一昨年、ってなっちゃうのか)死んだ母の声を、お前は聞きたいか?」と自問自答する時間が続いた。その答えは「聞きたいけど、聞きたくない」というのが、今のところの答え。でも、いつかの場面で「聞きたい」と思う瞬間もくるだろう、とは思う。母は何かを言いたがってる、伝えたがってるかもしれない。でも、それに応えれそうにもないぼくは、だからこそ「聞きたくない」。死んだ人の声を聞きたい、というよりも、死んだ双子の兄のことが忘れられない弟の痛切な喪失感というものが伝わるシーンでは、じわり、と泣いた。
今更だけれど、クリント・イーストウッドが撮った他の作品、観たくなった(「マディソン郡の橋」「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」ぐらいしか観たことない。「ミリオンダラー・ベイビー」はもちろん、「チェンジリング」とか「グラン・トリノ」「インビクタス 負けざる者たち」とか)。エンドロールでは、音楽も彼が担当してるってことだけど、あのラフマニノフのピアノとか、ギターとかも彼が演奏したってこと? …違うよねぇ。そうだとすれば、多才すぎる。
それから、予告編で観たけど、マット・デイモンは、今度、これまた製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグ、コーエン兄弟の「トゥルー・グリット」(http://www.truegritmovie.com/intl/jp/)にも出るみたい。チェック。
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