指でゴシゴシ

 今日はとつても寒かった。
 朝、バイクのエンジンがなかなかかからなかったのは、ガス欠だけのせいではないだろう。カブは燃費が良く、ガソリンを入れるのをよく忘れる。エンジンがかかりにくいな、よくエンストするな、と思って、ガソリン表示を見てみると、もうほとんどなかったりする。走ってて、途中で止まったことも何度かあった。わりとこわい。

 仕事帰りにガソリンを入れて(宇佐美のプリペイドカードの残高が218円しかなくて、満タンにはできなかったけど)、とつても寒かったので、帰ってきて、すぐにお風呂を沸かし、お米を研ぎ、炊飯器のスイッチを押して、お風呂に入った。
 お風呂に入ったとき、湯船に浸かりながら、たまに左の薬指の指輪を外す。
 外すと、お風呂に入ったときのしあわせ感とともに、少し解放感がある。
 それから、ちょっと、外した指輪を指でゴシゴシしたりもする。それだけで、くすんでいたものが、若干輝きを取り戻す。

 ぼくは、身に付けるものは、といっても、とくに何も身に付けないけれど、キーホルダーのキャラクターとか、ケータイのストッラプの先に付いている小物とかは、すぐに無くしてしまうのだけど、この結婚指輪は1年と数ヶ月、無くさなかった。
 もちろん、無くしたら、妻からものすごい制裁が待っていることがわかっているから、ということもあるけど、なんとなく気に入っているからだと思う。
 これは意外なことだった。

 それにしても、共同生活って、ほんとに意外なことが多い。
 共同生活を始める前に、すごく心配していたこと(<ひとり>を侵害されること)がそれほどでもなくて、目に見えないところでお互いの何かが蝕まれている/蝕んでいるようなことがあるような、ないような。