富山市出身
帰宅途中、鶴見緑地公園の東にある(ネットで検索して見つけた)美容室「wiLL / ems」(http://will-ems.com/)に寄る。
初めての美容室は緊張する。合う/合わない、どんな人がいるかもわからない。髪を切るのは結婚式の前日(10/17)以来だから、もう3ヶ月近くになる。
店に入ると、おばあちゃんが髪の毛をクルクル巻くやつをしていた。そして、匂いも、オサレ系の美容室ではない感じがした。良かった。
「ともかく、短く。上と前を少し残した感じで」とメガネの男性美容師に伝える。「軽いモヒカンカットですか?」と言われ、「モヒカン」と言われればそうなのかと思い(“ベッカムヘア”みたいな、と言おうとして止めた。“ベッカムヘア”なんて死語かもしれない、と思ったから)、うなずいたら、なんとも意思疎通がうまくいっていないことを察した彼が、ヘアスタイル雑誌を持ってきて、いろいろと見せてくれる。「坊主に毛が生えたような」、ぼくの思っているのと近い髪型があったので「こんな感じで」と指さした。
髪を切られている途中、担当してくれた彼(とても小さな声だった)が、富山県・富山市出身で、大阪に出てきて7年になり、最初は深江橋の方に住んでいたが、今は鴫野に住んでいること、最近、サイクリング用の8万円もする自転車を買い、奈良や京都まで行ったりした、なんて話を聞き出した。「富山なんて、なんもないところすよ」と言っていたけれど、ぼくは彼が故郷を愛しているのがわかった。
「wiLL / ems」は美容室なのに、理容室でもあるようで、顔を剃ってもらった。顔を剃ってもらうなんて何年ぶりのことだったろう。気持ちよかった。
帰り際、ぼくの赤いリトルカブを見て「いいですね、カブ。ぼくも前、これの茶色のやつ乗ってたんですけどね、盗られちゃったんですよ」と彼が言った。「いいよね、カブ。すごく気に入ってる。カブって、盗られるんだやっぱり。気ぃつけんとね」とぼくが言って、店を出た。