雲のコラージュ
14時すぎ、20年近く前と同じ第1だったか、第2だったかの音楽室で合奏が始まる。
チューニング用のオルガンの音が鳴る。
ぼくは、20年近く前の合奏時と同じ場所の近く、ユーフォニウムとチューバの席の後ろに座らせてもらう。
そして、I先生がやってきて、手づくりの指揮台(20年近く前と同じものだった!)の上の椅子に座り、20年近く前と同じ軽い冗談のような話をしながら、音楽の話をし、そして、指揮棒が上がり、下ろされる数秒間、ぼくもみんなと同じく、唇を濡らし、息を吸い込み、そして見えない楽器を構え、見えないマウスピースに向かって、緊張感をもって息を吐き出してしまってた。
そうして、奏でられた音を聴いて、ぼくは、ほんとに涙が出た。
これが、もしかしたら、音楽のもたらす「感動」と言われるものかもしれない、20年前、ぼくらに向かって「感動できる人間にならなあかん」と、まさにその場所で言ってたことが、20年度、ぼくは、なんとなく、そして、やっと、そのとき、わかったような気がした。
それは、懐かしさとか、そういうものを越えていた何かだったと思う。感傷的なものでもなかった。ひどくさっぱりし、でも、ひどく深く重い感情だった。
先日、我が母校の吹奏楽部は、大阪北地区代表(小編成の部)になり、13日には大阪府大会があるのだけど、自由曲として、この日もそこから約3時間合奏していたのは、櫛田てつ之扶(くしだてつのすけ)・作曲(「てつ」の字は「月」に「失」と書きます)の「雲のコラージュ」という曲だった(1994年全日本吹奏楽コンクール課題曲でもあったらしい)。
ユーフォのソロもあって(ぼくが中3の最後のコンクールで吹いた「シンフォニック・プレリュード」でも、冒頭にユーフォのソロがあり、かなり緊張した)、なかなかかっこいい、そしてきれいな曲だった。
