空中庭園にて−2/明るい光、静かな音
ただ、ぼくは、「とにかく退屈だった」と思っている彼女の横で、そんなことを彼女が思っているとはつゆ知らず、いろんな場面で涙を流していたし、笑ったりもした。
まず、印象的だったのは、ほとんどの場面が「明るい」ことだった。それがシーンによって、ロケ(日光)なのかスタジオセット内の照明なのか、よくわからないけれど、扱っている内容は鬱であったり、さまざまな事件であったりして「暗い」のに、雨の夜、夫役のリリー・フランキーが「金閣寺プラモ」を買ってきたシーン以外は、どのシーンもすごく「明るい」光のなかで、終盤にかけてはとくに、物語が進行していき、その「明るさ」のせいか、どのシーンにも透明感というか、スクリーンのなかから微風が吹いてくるような、そんな感じがした。
それから、ほとんど音楽が挿入されていなかったことも、逆にとても耳に残った。俳優たちの声が、声のトーンがよく聞こえた。リリーさんのよくわからない、ときどき発せられる方言での台詞とか、あと、靴音とか部屋の床を踏む足音とか。