自分語翻訳合評感想
このいわゆる「自分語翻訳」体験、または「文体練習」は、ぼくにはなかなか刺激的な書く行為で、川上さんも言っていたけど、川上さんは、小説を書いたことがないときに「小説を書いてみないか?」と言われて、どうしようかと迷ったときに、彼女がもっとも愛しているらしい多和田葉子『ゴットハルト鉄道』がいったい原稿用紙に換算すれば何枚で書かれているか? ということを調べてみたらしく、それは結局50枚程度だったらしいのだけど、「たった50枚でこの素晴らしい内容か!」と感嘆するとともに、実際にその『ゴットハルト鉄道』を書き写すということをして、それは、句読点の打ち方から、比喩の仕方から、まったく自分とは異なる「文体」を体験することによって、それで生まれたのが『わたくし率イン歯ー、または世界』だったのだというし、それをぼくなりに考えたら、さっきの「作家のヴォイス」と「文体」との連動性というか、運動とか、そういうことで、自分の文体を壊してみることによって、逆に自分の文体や「作家のヴォイス」が見えてくるということがあるんだなぁ、ということをこの「自分語翻訳」体験を通して思ったりした。
結局、まぁ、ぼくは、「手紙」に行っちゃったわけだけども。

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