みなしご
精神障害を持っている、その人と話していて、だいぶ昔、祖母が精神科の看護婦を定年退職して、ある小規模な作業所の所長としてまだ働いていたころ、よく家には退院して地域で生活している精神障害の人が電話をかけてきたり、遊びに来たりしていて、その人たちの独特の口調に怯えていたり、面白く思ったりしたことで、今日もその人から「○○(ぼくの職場)は、知的障害の“みなしご”たちが集まっているところですか?」と訊かれて、まず、その“みなしご”という単語をとても久しぶりに耳にしたことで驚いてしまい、答えに窮してしまった。
でも、そういえば、ほんとに“みなしご”という言い方はずいぶん聞かなくなったし(「みなしごハッチ」ぐらい)、今、こうして「みなしご」とキーボードで打って変換キーを押すと「孤児」と変換されてしまうことにも驚いたりもしつつ、そもそもその“みなしご”ということばの語源は、なんなのだろう? と思った。「(親から)みはなされた子ども」ということだろうか。もし、そうだとしたら、うちの施設に入所している子ども達は、…うーん、やっぱりなんとも答えられないな。
K病院からの帰り、Iさんの子どもと同世代であるぼくの将来設計みたいな話になり、「一応、将来を考えている女性はいるにはいたりするんですけどね、でも、先立つものが…」とぼくが言ったりしてて、そうしたらIさんが、おそらく自らの子どもさんを思い浮かべられたのか、「でも、○○くんだって、月に手取りで■万ぐらいもらってるんでしょ?」と言われたので、ぼくが「いや、残念ながら、ぼくの手取りは、■マイナス10万ぐらいですよ」と言ったら、Iさんが「アラーッ!」と驚いたように叫んだ。そうか、やっぱり、世の30代半ばぐらいの人たちは■万ぐらいもらっているのか、とぼくは改めてちょっとさみしかったけど。