函入りじゃなく

 そんなこんなでやきもきしながらも、月末支払いのため、午前中、銀行に行ったらたいそう混んでいて(給料日後だからかな)、待っている間新聞(読売新聞)を読んでいたら、2面の新聞広告に『宮本輝全短篇 上』(集英社)が掲載されていて、懐かしいともなんとも言えない気分になった。
 帰園して、昼休み、ネットで詳細を調べてみたら、この上下巻に収録されているのは、「泥の河」「螢川」「夜桜」「幻の光」「こうもり」「寝台車」「不良馬場」「火」「西瓜トラック」「星々の悲しみ」「蝶」「北病棟」「小旗」「眉墨」「トマトの話」(以上、上巻)、「力」「五千回の生死」「アルコール兄弟」「復讐」「バケツの底」「紫頭巾」「昆明・円通寺街」「暑い道」「駅」「ホット・コーラ」「階段」「真夏の犬」「チョコレートを盗め」「力道山の弟」「赤ん坊はいつ来るか」「香炉」「月に浮かぶ」「舟を焼く」「さざなみ」「胸の香り」「しぐれ屋の歴史」「深海魚を釣る」「道に舞う」「スワートの男」(以上、下巻)の39作、装画には有元利夫の版画とのこと。
 ぼくはやっぱり、今の宮本輝を読む気にはなれないけれど、昔の短編集は好きだし、なんだか題名を見ているだけでも、これらを読んでいた20年近く前の自分を思い出すと、ぎゅわんと心がくる。文庫で充分なのだろう、いや、文庫こそ宮本輝の短編を読むには相応しい媒体だと思うのだけど。函入りじゃなくても。

宮本輝全短篇 上

宮本輝全短篇 上


宮本輝全短篇 下

宮本輝全短篇 下