北軽井沢の風景

 長嶋有ジャージの二人』がやっぱりおもしろい。解説が、この間、対談を聞きに行った柴崎友香だから、読みかけてやめていたのをまた読み始めたのだけど。
 作品の舞台となる北軽井沢の風景(とくに秋から冬にかけての今の季節)は、ぼくにも少し具体的な状景として思い出せる。20才前後のころ、予備校の講師のTさん(の親だかなんだか)が所収する北軽の別荘に毎年連れて行ってもらってた。落ち葉の降る音で毎朝目が覚めた。自生のクレソンとかを獲りに出かけたり、ただ歩いたり、料理をしたり、暖炉に薪をくべたり、五右衛門風呂に入ったり、足が火傷しそうに熱かったり。ずっとそういう暮らしがしたいといつも思ってた。
 でも、誤解かもしれないけど、最後にTさんに連れて行ってもらったとき、同行の女性(ぼくが大切に思ってたりよくわからなくなったりしていた人)に妙な行為をしそうになったので、ぼくも頭がおかしかったから、Tさんを思いきり侮辱した。それから、連れて行ってもらえなくなったのは、とても残念なこと。

ジャージの二人 (集英社文庫)

ジャージの二人 (集英社文庫)